はじめに
私達、京都青年会議所は「何」をすることを目的として組織された法人なのか。果たすべき使命は何なのか。
2001年、新しい世紀の幕開けと同時に創立50年を迎えた京都青年会議所は、自らの存在意義を創始の精神に照らしあわせ問い直し、 これからの時代に使命を果たし得る行動指針を策定し、同時に着実に運動を推進し目的を達成し得る、時代に即した組織の運営を確立したいと考えました。
そして10年先を見据えた新たな行動指針を『ビジョン21』と名づけ、長期的な活動のテーマを設定し、社会に向けて発信いたしました。
2006年創立55周年を迎えるにあたり、『ビジョン21』に沿った5年間の活動を踏まえ、あらためて原点に立ち返って将来の方向性を今一度確認するときを迎えました。 青年会議所運動の目的を振り返り、進化し続ける活動への決意を新たに、大いなる志と誇りを胸に、夢の実現に 向かって邁進する行動指針としての『ビジョン21』を発信します。
京都青年会議所の原点
かつて第2次世界大戦敗戦の直後、荒廃した日本社会を再建すべく、使命感に燃えた青年達の運動が、日本全国に自然発生的に広まっていきました。 その機運に応えて昭和26年7月21日、故岩井常太郎先輩を理事長とする京都青年会議所が、日本で19番目の青年会議所としてスタートしました。
そのときに定められた定款の第三条にはこう謳われています。
「本会は地域社会及び国家の発展をはかり、会員の連携と指導力の啓発に努めると共に、国際的理解を深め、世界の繁栄と平和に寄与することを目的とする。」
更にその目的の達成のために第五条では
① 指導者としての修練及び、相互親睦に資する行事の開催
② 産業・経済・観光・文化に関する研究、並びにその改善発達に関する研究実施
③ 社会奉仕業及び青年問題に関する事業
④ 国際青年会議所、日本青年会議所、並びに国内国外の青年会議所及びその他諸団体と 提携
⑤ その他本会の目的を達成するために必要な事業
と記されています。
社団法人京都青年会議所のこの活動基本理念は、創設以来半世紀を経た今日も変わっていません。
京都青年会議所の使命
「青年経済人としての活発さと謙虚さと創造性をもって、まず自らを開発し、京都のまちの人々とともに、わがまち京都の明るく豊かな社会づくりのために貢献する」、 これが私達の使命なのです。この使命を果たすために「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」を3つの大きな信条とする私達の運動は始まり、現在に至っています。
私たちの使命は明るく豊かな京都を実現することです。ただしそれは、京都青年会議所創設当時の荒廃と貧困の中で日本社会全体が望み、二十世紀後半ひたすら追い求めた、 物質的な豊かさで象徴されるような社会ではありません。
京都青年会議所の運動は、決して完成され固定化されるものではなく、社会の進歩や変化とともにさらに進化発展していくべきであると考えます。
私達は今一度、京都青年会議所を創設された先達の熱い心に思いを馳せ、創始の精神に自らの熱い志を重ね、 京都青年会議所としての理念に基づいた活動を展開して行くことを決意いたしました。これこそが私達の使命であり、心と心が繋がって人が人を思いやれる、憩いと余裕のある社会、 そこに住んでそこに暮らして本当によかったと思える社会こそが、現代を生きる私達の目標とする「明るい豊かな社会」なのです。
その目標を達成するためには、「10年後、20年後を見据えたひとづくり、まちづくり」に引き続き取り組まなければなりません。 京都青年会議所は、千年の歴史の中で培われた文化や先人達の知恵に学び、その基盤の上に立って、これからの時代に即した京都の新しい価値を創造して参ります。
京都青年会議所の活動ステージ
京都青年会議所は、京都の青年経済人が集まっている団体です。
地球の中の京都というマクロ的な意識のもと、地球に感謝しながらも私達のまなざしは、どこよりもまずわがまち京都に向けられています。 私達の心はどこよりもまず京都に関わりを持とうと思っています。
また、私達京都青年会議所の運動は、京都の市民のみなさんにその意義を認められるものでなければなりません。 なぜなら、京都青年会議所の運動が「明るい豊かな社会」の創造にむけて展開される中で、新しい京都をリードするにふさわしい人材を数多くつくり出すことを大きな目標としているからです。
視野は広く世界に向かって開かれていても、自らが立つ足許を疎かにすることがあっては、私達の存在意義は薄れてしてしまうといっていいでしょう。 『地球の中のわがまち京都』こそが、私達のかけがえのない活動ステージです。
京都青年会議所の活動テーマ
心と心が繋がって人が人を思いやれる憩いと余裕のあるまち・京都。夢が実現できるまち・京都。ここに住んでここに暮らして、本当によかったと思えるまち・京都。 これが私達の目標とする「明るい豊かな社会・京都」です。
この目標を達成するために、どのような理想を描きどのような活動を展開していくのか。人がまちをつくり、まちが人を育む、という言葉が示すように、 私達の活動は常にひとづくりとまちづくりを柱に展開されて参りました。今後も「10年後、20年後を見据えたひとづくり、まちづくり」に取り組む上で、 様々な事業を通して実現するべきひとづくりやまちづくりの姿は、どのようなものであるのでしょうか。
「地球の中のわがまち京都」を基盤に活動を進める中で、京都のまちを愛する心とそこに住む人達への思いやりの心を育み、これからのまちを支え未来を担う人達が自分達の将来に夢を持ち、 それに向かって努力をする、そんな活力溢れる人を一人でも多く育むひとづくりを目指して参ります。
また、豊かな自然と奥深い文化に育まれたわがまち京都の京都らしさを活かし、自然環境の保全はもちろんのこと、まち全体のあり方をバランスよく考え、 魅力あるまちづくりを目指します。そして、京都のまちを支える人達がともにこれからのまちづくりを語り、実践を重ねている、そのような姿こそ私達の求める姿であるといえます。
以上のように、社会とそこに生きる人間とは互いに不可分に関わりあい、影響しあっています。 すなわち、私達の目標を達成するための今後の活動は、未来のまちづくりを担う次代のひとづくり、そして自然や文化、経済のバランスのとれたまちづくり、 ということに重点をおくものであるといえます。したがって、『明るい豊かな社会・京都』を目指す京都青年会議所は、ひとづくりに関しては青少年の教育をテーマに、 まちづくりに関しては私達を取り巻く環境をテーマとして、この2つのテーマで活動に取り組んで参ります。
■ひとづくりビジョン21
私達は、「明るい豊かな社会・京都」の実現を目指して、次代のまちを担うひとづくり運動を実践しています。 その中において、積極的に多くの方々に働きかけ、ともに問題をしっかりと見つめた上でこれからの活動を展開して参ります。
次代のまちを担うひとづくりとは、京都のまちを愛する心とそこに住む人達への思いやりと感謝の心を育み、 自分達の将来に夢を持ち目標に向かって頑張る青少年を育むことではないでしょうか。その実現に欠かせないのが自立心、生きる力、 夢に向かって頑張る気概を持てるように育む「夢と志を育む教育」であると考えます。
本来、教育は学校、家庭、地域がそれぞれの立場から担ってきたものでした。しかし昨今教育を学校に委ね、 家庭や地域では大人と子どものコミュニケーションが希薄になっているのも事実です。 今一度、学校・家庭・地域が連携を密にし、地域コミュニティーが一体となり積極的に青少年の教育に関わることによって、個性という自分らしさを発見し、 リーダーシップを身につけ、未来の京都を支える人として未来に夢を持ち、目標に向かって頑張る青少年を育めると考えます。 それが京都を愛する心とそこに住む人達への思いやりと感謝の心を持つことへと繋がるのです。
私達京都青年会議所は、そこに住む人々の笑顔が溢れ活気が漲る明るい豊かな社会の実現を目指し、 次代の京都のまちを担い活躍する活力溢れる青少年を育むひとづくり運動に取り組んで参ります。
■まちづくりビジョン21
京都は悠久の歴史と山紫水明の豊かな自然のもとで育まれた伝統と文化が息づく中、伝統産業とハイテク産業が同居し、自然と都市が共生している世界的にも希有なまちです。 私達は京都のまちの未来がどうあるべきかを考え、『明るい豊かな社会・京都』の実現を目指し、これからの時代に即したまちづくり運動を展開して参ります。
まず、自らを育んでくれた京都の豊かな自然に感謝の心をいだき、京都のまちの持続可能な発展を目指すとともに、 全世界が地球環境保全に大きな一歩を踏み出した「京都議定書」締結のまちとして、これからも環境保全意識の啓発について積極的に取り組んで参ります。
また、京都は年間4500万人以上の人々が訪れる国際文化観光都市です。歴史と自然に育まれた文化を継承・進化させることにより、 京都のまちの魅力を更に輝かせ世界に発信するとともに、京都のまちに住む人達自身がここに住んでよかったここに暮らしてよかったと思えるまちを実現するため、 広く市民の方々と連携をとって活動を推進いたします。
私達京都青年会議所は、京都ならではのまちの特色を活かし、自然との共生、文化の発展、経済の活性化をバランスよく考え、 様々な分野・立場の人々と議論を行うことでまちのグランドデザインを思い描き、世界に誇れる明るく希望に満ち溢れた京都のまちづくりに取り組んで参ります。
実践のためのシステム
行動指針としてのビジョンや組織運営のシステムは、策定するだけでは意味がありません。それを実践し成果を出し評価を得て、継続して行くことに意義があるものです。 私達京都青年会議所はPLAN→DO→CHECK→ACTIONの繰り返しの中からしか、成果は生まれてこないことを認識しています。 「明るい豊かな社会」の実現のためには、長期的な視野をもった『提言と実践、創造と検証』のサイクルを基調とする継続的な展開が欠かせません。 従ってこれは単年度の取り組みではなく、検証し軌道修正しながら、継続性、一貫性を持った運動として推進されなければならないと考えています。
最初に『ビジョン21』を発信してからの取り組みとして、活動のテーマに沿った実践の仕組みとして、行政、企業、NPOの方々とともに「教育」と「環境」に関する諸問題を持ち寄り、 相互の信頼関係のもとに議論を重ね、解決の方策を見出していくネットワークシステムを作り上げて参りました。 課題解決のための仕組みづくりは大きく前進し、さまざまな事業の実施という形で市民のみなさんに提供することを実践して参りました。
また、京都青年会議所はKES(環境マネジメントシステム・スタンダード)のステップ1認証取得団体でもあります。 活動を行う上で環境に配慮したさまざまな工夫の実践が求められる組織です。 活動のテーマに沿った実践を進める中で環境に配慮した組織運営を継続する上で、目標の設定やその実践、成果の評価検証のシステムを最大限に活用して参ります。
そして、私達の運動で得られた成果が、果たしてどうであったかという評価は大変重要であると考えます。 ただ、私達のような団体が、成果をどう考えるべきなのでしょうか。 社会人・経済人としての能力開発、あるいは啓発といったことを大きな目的とする私達の運動の成果は、人間の変化の中にあることは間違いないところです。 したがって、私達は、人間の能力をどれだけ創出したかによって、成果として捉えていくべきと考えます。
地球に感謝し、この時代に日本に生まれたことに感謝し、京都のまちに暮らしていることに感謝して、 京都青年会議所メンバー一人ひとりがビジョンをよく理解し目的意識を持って運動していくことが、今後ますます重要なことであると考えています。 メンバー一人ひとりが個々の能力・役割を十分に発揮し、さまざまな実践の中から成果を出し、「明るい豊かな社会・京都」実現のために貢献することを誓います。
2006年5月改訂

